時系列で振り返る東日本大震災の出来事一覧 事前の部: 震災への道:貞観津波 ~ 震災直前 (再掲載)
西暦日時 | 本震との時間差 | 出来事 | 情報源 |
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869年7月13日 | 1142 年前 |
貞観の三陸沖地震、大津波。和暦:貞観11年5月26日。Mw8.4と推定。津波が多賀城下を襲い、溺死者約1000人。日本三代実録に記録あり。 二十六日癸未。陸奥国地大震動。(26日、陸奥国で大地が大きく震動した。) 流光如昼隠映。(謎の部分。「流れる光が昼のように闇を照らした(?)」。普通は流光とは流れる水面での光の反射をいうので、「うねった海水面からの反射光が昼のように明るく影を照らした(?)」) 頃之。人民呼。伏不能起。或屋倒圧死。或地裂埋殪。馬牛駭奔。或相昇踏。城倉庫。門櫓墻壁。落顛覆。不知其数。(このころ、人々は伏せて起き上がれず、家が倒れて圧死したり、地割れに埋もれた。馬や牛は驚いて互いに踏みつけ合った。城の倉庫、門、やぐら、壁は落ちてひっくり返り、その数は知れず。) 海口哮吼。声似雷霆。驚涛涌潮。泝漲長。忽至城下。去海数十百里。々不辨其涯。原野道路。惣爲滄溟。乗船不遑。登山難及。溺死者千許。資産苗稼。殆無孑遺焉。(海はとどろき、雷のような音がした。怒濤がわき上がり、あふれた。たちまち城下にいたる。海から数十、数百里も離れているのに、どこが津波の終わりなのか分からない。野原も道路も全て海になった。船に乗るひまはなく、山にも登れず、およそ千人が溺死した。資産も苗もほとんど残らなかった。) |
理 |
1241年5月22日 | 770 年前 | 津波が鎌倉を襲う。 | 理 |
1611年12月2日 | 400 年前 | 慶長の三陸沖地震。津波発生し、伊達領下で死者1783人。南部・津軽で3000余の人馬死す。 | 理 |
1771年4月24日 | 240 年前 | 八重山地震、明和の大津波。死者行方不明者11,000人以上。人口激減し、その後も塩害に苦しむ。 | |
1792年5月21日 | 219年前 | 島原大変肥後迷惑。島原半島の眉山が大崩壊し海になだれ込み、大津波が発生。島原、熊本沿岸に甚大な被害 | 理 |
1843年4月25日 | 134 年前 | 釧路、根室、八戸など津浪。 | 理 |
1877年5月10日 | 134 年前 | 明治のチリ地震津波。釜石で津波3m。 | 理 |
1894年3月22日 | 117 年前 | 根室沖地震。津波高さ、宮古4m、大船渡1.5m。 | 理 |
1896年6月15日 | 115 年前 | 明治の三陸大津波。三陸沖で地震。死者21,959人。うち岩手が18,158人。津波高さ、大船渡市綾里にて38.2mに達する。これが国内史上最高記録。 | 理 |
1897年8月5日 | 114 年前 | 宮城県沖地震。津波高さ、盛5m。 | 理 |
1898年4月23日 | 113 年前 | 宮城県沖地震。小津波あり。 | 理 |
1923年9月1日 | 88 年前 | 関東大震災。死者不明者105,000人余。相模湾と房総で大津波。 | 理 |
1933年3月3日 | 78 年前 | 昭和の三陸大津波。三陸沖地震。死者不明者3064人。津波高さ、大船渡市綾里で28.7m。 | 理 |
1936年11月3日 | 74 年前 | 宮城県沖地震。小津波あり。 | 理 |
1938年5月23日 | 73 年前 | 茨城県沖地震。小津波あり。 | 理 |
1938年11月5日 | 72 年前 | 福島県沖地震。津波高さ、小名浜1m。 | 理 |
1944年12月7日 | 66 年前 | 東南海地震。津波発生。死者不明者1,223人。流失3059棟。 | 気 |
1952年3月4日 | 59 年前 | 十勝沖地震。津波高さ、三陸で1~2m。 | 理 |
1960年5月23日 | 51 年前 | チリ地震津波。24日2時ごろから襲来。死者不明者142人。津波高さは三陸で5~6m。 | 理 |
1968年5月16日 | 43 年前 | 1968年十勝沖地震。死者不明者52人。津波高さは八戸から宮古にかけて5m。 | 気 |
1971年3月26日 | 40 年前 | 福島第一原発1号機、営業運転を開始 | 国調 |
1973年6月17日 | 38 年前 | 根室沖地震。津波高さ、花咲で2.8m。三陸では小。 | 理 |
1974年7月18日 | 37 年前 | 福島第一原発2号機、営業運転を開始 | 国調 |
1976年3月27日 | 35 年前 | 福島第一原発3号機、営業運転を開始 | 国調 |
1978年4月18日 | 33 年前 | 福島第一原発5号機、営業運転を開始 | 国調 |
1978年6月12日 | 33 年前 | 宮城県沖地震。死者28人。 | 理 |
1978年10月12日 | 32 年前 | 福島第一原発4号機、営業運転を開始 | 国調 |
1979年10月24日 | 31 年前 | 福島第一原発6号機、営業運転を開始 | 国調 |
1982年4月20日 | 29 年前 | 福島第2原発1号機、営業運転を開始 | 国調 |
1983年5月26日 | 28 年前 | 日本海中部地震。津波で100人死亡。秋田県沖Mw7.7 | 理 |
1984年2月3日 | 27 年前 | 福島第2原発2号機、営業運転を開始 | 国調 |
1985年6月21日 | 26 年前 | 福島第2原発3号機、営業運転を開始 | 国調 |
1986年 | 25 年前 | 福島第一原発1号機で、定期検査でシュラウドヘッドボルトに損傷発見されるも隠蔽される。2002年に発覚する東電原発トラブル隠し事件の最初の例。 | |
1987年8月25日 | 24 年前 | 福島第2原発4号機、営業運転を開始 | 国調 |
1991年2月9日 | 20 年前 | 美浜原発蒸気発生器破断事故。日本における初の緊急炉心冷却装置 (ECCS) 作動。 | 日経 |
1993年7月12日 | 18 年前 | 北海道南西沖地震。奥尻島で大津波。死者202人。不明者28人。 | 理 |
1994年10月4日 | 16 年前 | 北海道東方沖地震。択捉島で大津波。花咲では津波高さ173cm。 | 理 |
1994年12月28日 | 16 年前 | 三陸はるか沖地震。死者3人。小津波あり。 | 理 |
1995年1月17日午前5時46分52秒。 |
16 年前 | 阪神淡路大震災。死者6,434人。不明者3人。 | 理 |
西暦日時 | 本震との時間差 | 出来事 | 情 |
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1999年9月30日 | 12 年前 | JCOウラン加工施設臨界事故。死者2名。我が国初の原子力災害死亡事故 | 民調 |
2000年11月 | 11 年前 | 国の地震調査研究推進本部地震調査委員会が「宮城県沖地震の30年以内の発生確率は99%」と想定を発表 | 宮城県防災会議 |
2002年8月29日 | 8年半前 | 保安院が、東電の福島第一、第二、柏崎刈羽の3つの原発での自主点検記録に改竄の疑いがあることを発表。 | 朝日 |
2002年9月2日 | 8年半前 | 東電は、原発トラブル隠蔽事件を受けて、荒木会長、南社長、平岩相談役ら5人が引責辞任 | 朝日 |
2002年11月24日 | 8年半前 | 1号機に、運転停止命令。保安院は、トラブル隠し事件を受けて、東電に対し福島第一原発1号機を1年間運転停止する行政処分。 | 朝日 |
2003年5月26日 | 8 年前 | 宮城県沖地震 | 理 |
2003年7月26日 | 8 年前 | 宮城県北部地震 | 理 |
2004年8月9日 | 7 年前 | 美浜原発蒸気噴出事故。死亡5人、重傷6人。 | 朝日 |
2004年10月23日 | 6 年前 | 中越地震。死者68人。 | 理 |
2004年12月26日 | 6 年前 | インド洋大津波。死者不明者227,898人。 | 理 |
2006年3月21日 | 5 年前 | Twitter始まる | |
2007年3月25日 | 4 年前 | 能登半島地震。死者1人。 | 理 |
2007年7月16日 | 4 年前 | 中越沖地震。津波高さ:柏崎で0.35m。 | 理 |
2008年2月 | 3 年前 | 東京電力のトップが集まる「御前会議」開催。国の地震予測「長期評価」に基づき、津波高さを「7.7メートル以上」と予測する資料が配られる。旧経営陣への裁判では、検察役側はこれをもって3被告が対策を了承したとする。元副社長武黒被告も元副社長武藤被告も了承を否定。 | 旧経営陣裁判2018年10月 |
2008年3月 | 3 年前 | 東京電力の常務会にて、「津波の評価が従前を上回る可能性あり」とする資料が配られる。議事録に提案は了承されたと記録。 旧経営陣裁判では、武黒被告(元副社長、当時原子力・立地本部長)は、「津波の評価についての説明は記憶にない」と主張。 | 旧経営陣裁判2018年10月 |
2008年6月 | 3 年前 | 東京電力の地震対策センター土木調査グループは、武藤栄副社長に対して、津波の想定として最大15・7メートルを報告。しかし、7月になり武藤副社長は、この津波高の採用見送りを指示した。武藤被告は2018年10月の公判での被告人質問でこれを否定。 | 2018年4月10日の東京電力旧経営陣に対する第5回公判での証言 |
2008年6月14日 | 3 年前 | 岩手宮城内陸地震。死者17人。 | 理 |
2009年夏 | 1.5 年前 | 保安院名倉繁樹安全審査官が、東電に対して具体的な原発の津波対策を求めるも、東電担当者は「原子炉を止めることができるのか」と拒否。 | 政調(追加公開分) |
2011年3月 | 直前 | 武藤栄東京電力副社長に、東電の担当者が原子力安全・保安院に津波対策を報告するとメールを送付。 武藤副社長は「話の進展によっては大きな影響がある」と返信。 次いで担当者は、「15.7メートル」と聞かされた保安院から対策の不十分さを指摘されたとメールを送信。 裁判で指定弁護士はこれらメールを示すも、武藤被告は「読んでいない。事故後に探したが見つからなかった」と主張。 |
旧経営陣裁判2018年10月 |
2019年9月19日、東京地裁(永渕健一裁判長)は、業務上過失致死傷の罪で強制起訴されていた、東京電力の旧経営陣、勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の全員を無罪とする判決を出した。当時の津波のリスク評価の信頼性は十分ではなく、予見可能性が乏しく、津波対策工事が間に合うかも疑わしく、原発を停止することも困難であったとして、旧経営陣は無罪とした。
この文書について
3.11東日本大震災と福島第一原発事故の出来事、ニュースをタイムライン状に並べたものです。
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新聞記事は、出来事の発生時刻が分かるものは、その時刻に配置しました。(よって、記事の新聞掲載日とは限りません。)
過去の天災の事例は、被害が特に大きいもの、および被災地の津波に関係するものを取り上げました。
震災の大混乱のためか、報道内容が後に分かった事実とは違っていることもあるので、正確なデータを調べるには最新のものを参照してください。ここでは、混乱状況を伝えるために、なるべく当時の報道をありのままに載せています。
輪番停電・計画停電の実績は、グループ割は複雑なので、開始時間と終了時間を記録するに留めました。
重要な事象以外にも、世相を反映する話題を適宜採録しています。
出典凡例
NHK: NHK、NNN: 日本テレビ系、河: 河北新報、朝日: 朝日新聞、毎: 毎日新聞、読: 読売新聞、気: 気象庁ホームページ、気2: 気象庁「平成23年3月地震・火山月報(防災編)」、規委: 原子力規制委員会、気仙: 気仙沼本吉地域広域行政事務組合消防本部「東日本大震災 消防活動の記録」、国調: 国会事故調、政調: 政府事故調、民調: 民間事故調、鉄: 新潮社 日本鉄道旅行地図帳 東日本大震災の記録、理: 国立天文台編「理科年表」(第86版)、2013. 、WSP: WSPEEDI (日本原子力研究開発機構)の放射性物質飛散状況推定. 消費庁:「食品と放射能 Q&A」(各年度のもの)。