東日本大震災 時系列まとめ ブログ

東日本大震災の出来事を時系列にまとめました

早野龍五 東大名誉教授の個人被曝に関する論文に問題発覚

事故後有名となった早野龍五 東京大学名誉教授が共著者の1人である、福島第一原発事故による住民被ばく量についての論文に、2つの大きな問題があることが、2018年12月に発覚した。

  1. 住民が一生にうける累積被曝量の値が、3分の1に過小評価されていた。
  2. 半数のデータを住民の同意を得ずに使っていた。

 

東電旧経営陣裁判 論告求刑 3名ともに禁錮5年を求刑

2018年12月26日、東京地裁にて、東京電力福島第一原発事故の旧経営陣3名に対する、強制起訴の検察官役の弁護士による、論告求刑が行われた。要点は下記の通り。

  • 勝俣恒久 元会長
    2009年2月11日に開催された「御前会議」にて、原子力整備管理部長が14メートル程度の津波が来る可能性がある人もいる、と発言した際に、勝俣会長はそれを聞いたが何も対応しなかった。
  • 武黒一郎 元副社長
    事故に至るまでの経過において最重要の情報は、子会社が2008年3月に、長期評価を用いて算出した15.7メートルという津波の高さ。
    この情報は、同年6月10日に武藤副社長に報告され、防潮堤の設置が進言された。にもかかわらず、同年7月31日の重ねての報告の際に、「研究しよう」の一言で一蹴した。
  • 武藤栄 元副社長
    2009年4~5月に原子力整備管理部長から詳細な報告を受けたにも関わらず、津波対策工事を行う必要は無いと即断。
    また「報告が無かった」などと供述し、報告しなかった者に責任を転嫁している。巨大津波の危険性の情報を受けているのだから、詳細かつ最新の情報を収集する責任は被告にある。
  • 3人の責任の大きさに差をつける事情はなく、いずれの被告に対しても、業務上過失致死傷罪の最高刑である禁錮5年を求刑。
  • 死者数は44人。負傷者数は13人。被害者の苦しみと無念は、あまりに大きい。

2019年3月に弁護側の最終弁論が予定され、結審する見通し。

 

 

 

 

日本原子力発電 和智信隆副社長 周辺自治体の拒否権を否定

2018年11月7日、日本原子力発電の和智信隆副社長が、東海第二原発の再稼働に関する安全協定について、周辺自治体の拒否権は新協定の中にはどこにもないと発言。

 

同月24日、和智信隆副社長は発言を撤回し謝罪したが、拒否権の有無については明言せず。

東電旧経営陣3人への被告人質問

2018年10月、東京地裁

東京電力福島第一原発事故に関し、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人に対して、初めてとなる被告人質問が始まった。

武藤栄 被告 (元副社長。2008年当時は原子力・立地本部副本部長) (被告人質問16~17日)

論点1:08年6月に、被告は、津波の予測値が最大15.7メートルという報告を受けたが、その対策を先送りする指示をしたのではないか?
  • 強制起訴の検察側の主張:翌7月に、津波対策を先送りし、土木学会に検討を依頼するよう指示した。(そもそもこの報告は、すでに2008年2月の「御前会議」にて、国の地震予測である長期評価に基づいて津波を対策することが了承されたことを受けて、行われたものである。長期評価をやめて土木学会の検討に切り替えるという意図がある。)
  • 武藤被告の答え:先送りと言われるのは心外。予測値を報告した社員自身が「信頼性がない」と説明したので、会社として決定できる水準ではなく、自分に権限もなかった。
  • 疑問点:被告に権限は無かったのか? 評価の方式を、国の長期評価から、土木学会の検討に切り替える権限はあったのか? 切り替えた理由は何か?
論点2:震災直前の2011年3月に、被告は、東電担当者から原子力安全・保安院津波対策を報告するとメールを受け、「話の進展によっては大きな影響がある」と返信したのではないか?
  • 強制起訴の検察側の主張:メールを示し、返信したと主張。
  • 武藤被告の答え:読んでいない。事故後に探したが見つからなかった。
  • 疑問点:メールの真贋は? 重要な事項の報告を受けていなかったのか?

 なお、強制起訴の検察側は、他にも、株主総会の想定問答(09年6月)や、福島県地震対策を説明する際の想定問答(08年3月)も併せて示し、被告の関与を追及した。

 

武黒一郎 被告 (元副社長。2008年当時は原子力・立地本部長) (被告人質問は19日)

論点:2008年2月の「御前会議」で、国の地震予測である長期評価に基づいて津波を対策することが了承されたのか?
  • 強制起訴の検察側の主張:被告は了承した。部下の供述調書にある通りである。また、08年3月の常務会でも、「津波の評価が従前を上回る可能性あり」という資料が配られ、議事録には「提案は了承された」と記録がある。
  • 武黒被告の答え:「了承」というのは強引だ。御前会議は意思決定の場ではない。津波の評価は、常務会が決定できることとは思わない。
  • 疑問点:示された資料と答弁とが矛盾しているように見える。(一般に、重役会議では、高度に技術的な事項については、各部署での検討結果を追認するものである。仮に、これらの重役会議で実質的に了承されたと認めても、武黒被告には別段、責任が増えるわけでも減るわけでもない。だが、資料が示されても、「了承」ではないと答えている。)

幕間:東京電力 ツイッター公式アカウント「#工場萌え」投稿 10月29日

 東電は、重大事故を起こした福島第一原発4号機建屋の内部画像をtwitterに投稿。「#工場萌え」というハッシュタグをつける。批判が相次ぎ、東電はハッシュタグを削除し謝罪。 

勝俣恒久 被告 (元会長)(被告人質問は10月30日)

 論点1:国の長期評価の扱い
  • 強制起訴の検察側の主張:2008年2月の「御前会議」で長期評価を知ったのに、その後、対策を先送りをしたのではないか?
  • 勝俣被告の答え:長期評価の存在を知ったのは、3・11からだいぶたった後。
  • 疑問点:「御前会議」の重要議題でも知らなかったのか? 部下の説明に対して鋭い質問を返すため「カミソリ」として鳴らした敏腕経営者として知られていた被告が、全く知らなかったのか?
論点2:予測値の信頼性
  • 強制起訴の検察側の主張:最大15.7メートルという津波予測が公表されず、対策に生かされなかったのは、予測を隠し持っていたからだ。
  • 勝俣被告の答え:「隠し持ってたわけじゃなくて、試算値ですよ。試算値で騒ぐのはおかしい。15.7メートルに、どの程度の信頼性があるのかに尽きる。」地震対策を担当する部長が「(根拠を)整理すると言っていたので気にとめなかった」
  • 疑問点:試算とはいえ、安全第一の考えからは、対策を取るべき。信頼性が曖昧ならば、まずは対策をするという、安全側に行動するべきではなかったか?

 

 

 

原子力規制委員会 更田委員長 処理水の再浄化は不要と認識

東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した後の処理水に、排水の法令基準値を上回る放射性物質トリチウム以外の放射性物資が残留している問題。

2018年10月5日、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、処理水の再浄化は必ずしも必要ではないとの認識を示した。

しかし、10月1日に開かれた政府の小委員会では、再浄化を前提にすると確認したばかり。

福島第一原発の作業員のガン、被ばくによるものと厚生労働省が認定 

2018年8月31日付けで、福島第一原発事故の対応作業に従事していた作業員のガンを、厚生労働省は労災を認定。事故対応にあたった作業員の、ガン労災認定は5人目だが、今回は初めての死亡事例。

 作業員の被曝線量は約195ミリシーベルト。このうち、事故後は約74ミリシーベルト